安川拓さん
(ケアセンターふわふわ・アトリエえとす)
【働き方】理学療法士 常勤
(午前:ケアセンターふわふわ 午後:アトリエえとす)
ハビリスデザインで働き始めてどのくらい?きっかけは?
ハビリスデザインで働き始めたのが、2018年3月からなので、今度の3月で丸3年になります。最初は、放課後等デイサービスの「はびりす」、今は「ケアセンターふわふわ」と「アトリエえとす」で仕事しています。
きっかけは、紹介でした。前の職場を辞めるって決めたとき、今後のことを、信頼できる当時の先輩に相談したんです。
そうしたら、「まだ若いから焦る必要ないよ。ハビリスデザインの社長は面白いことやっている人だから、そこで一度経験してみるのも良いかも」という話になり、藤沢駅北口にある居酒屋のなお吉で話をし、そのあと、社長から「実際にまずは遊びに来なよ」と…それが、2018年の3月でした。
職場の印象はどうでしたか?
最初感じたことは、「自分にできるかな」ということでした。今までの仕事で、関わってきた対象の方は、脳血管障害とか神経難病とか…比較的若い40~60代くらいの中途障がいのある方だったんです。なので、放課後等デイサービス「はびりす」と聞いたときに、対象とする年齢が違う…それに、今まで子どもと触れ合ったこともほとんどないし、自分にその仕事ができるかな?と思いました。
ただ、もともと関心のあった分野は、脳とか神経の発達に関することだったんです。これは、前の職場に入る以前からなのですが、理学療法でも、骨折などの整形外科的なものよりも、脳血管障害とか、脳や神経の発達に興味はあったので、子どもと一緒に何かをしたことはないけど、子どもの発達過程を学べるというのは面白そうだと思ったのを覚えています。
仕事内容に対する抵抗とかはなかったですね。排泄の介助とか水分補給の介助とかはやったことがなかったのですが、職場には自分より前から働いている介護福祉士や先輩のスタッフの方が教えてくれたので、「あーこうやって介助したらいいんだ」など、一つ一つ納得しながらやっていけたので、良かったです。
「はびりす」での時間は楽しかったですね。子どもたちがいる時間にすべてが詰め込まれているのでバタバタしている感じはありましたけど、楽しかったなと思いますね。
これまではどんな仕事を?
理学療法士として、規模としては大きめのリハビリ施設で働いていました。
新卒からそこで働いているので、現場では、ベテランの理学療法士の先輩方と働き、その中で、徐々にもっと他のところでチャレンジしたいという想いが生まれてきたのです。認知症の予防にずっと興味があって、そこをやっていきたいという想いもありました。結果的に、認知症の予防とは違うのですが、ここでの仕事の中に、やりたいカタチや楽しさ、面白さをいろいろと見つけられています。
リハビリをメインにやっている職場から、こちらへの転職はどうでしたか?
仕事内容としては、全然違いましたね。
前の職場は、1対1で40分程度、それが午前と午後に何枠ずつかあって…という感じだったので、それが、放課後等デイサービスだと、放課後になると、みんなが一気に来るという感じなので、関わり方自体違いました。
最初は、自分も専門職としてどう関わろうと考えていたんです。機能面…たとえば、立つとか座るとか、寝ているときの姿勢がどうかなど考えていたのですが、やっていくうちにそんなに気にしなくなっていったって感じですね、良い意味で。理学療法士としてというよりも、放課後デイサービスにいる一スタッフとして、どう動けた方がいいかということを考えるようになりました。
やはり最初は専門職として、自分のいる意味に悩むところもあったのですが、働いていく中で大切なことを気づけたように思います。
今の仕事内容は?
今は午前中に「ケアセンターふわふわ」、午後から「アトリエえとす」で働いています。
ケアセンターふわふわでは、利用者さんといわゆるリハビリをやっています。
アトリエえとすでは、高谷や大鋸のときの放課後等デイサービスと同じように、ひたすら、良い意味でバタバタしながら、子どもたちと関わっています。排泄介助や水分補給、おやつ、活動に一緒に参加したりって感じですね。
具体的な内容は、ケアセンターふわふわでは、毎日、利用者さん全員に対してリハビリ的なことをやっているわけではないです。基本的には、看護師や他のスタッフも利用者さんと関わっているので、その中で運動する機会を作ってくれています。自分の仕事は、一日に何人かを見ていき、ひと月の間に皆さん全員を見れたらいいなとローテーションを組んでいます。計画書の更新が3ヶ月に1回あるので、それまでには皆さんをまんべんなく見て評価し、そこから、次の計画を変えたり、看護師やスタッフに伝えたりしていますね。
アトリエえとすでは、専門職だから違う仕事というより、放課後等デイサービスの一スタッフとしてやっています。ただ、利用者さんは身体障がいのある方が多いので、リハビリに通っている方もいたり、装具とか座位保持装置を利用している方もいたり、リハビリに何かしら関わっている方が多いんですよね。なので、「昨日リハビリ行ってきました」というお話を保護者から聞くようにしています。直接、リハビリのアプローチをするわけではないけど、専門職として話を聞く窓口になれたり、それがご家庭の安心につながったりしたらいいなと。
ここの放課後等デイサービスには、看護師もいるし、児童指導員もいて、いろいろな支援者がいる…その中で身体についてちょっと知っている人がいるからって感じに思ってもらえたらいいですね。聞いた内容を、かみ砕いてスタッフに共有するなど、やっているので、保護者の方の安心材料になればいいなと思っています。
職場のいいところは?
エネルギーに満ちているところです。これは、スタッフも利用者さんもですね。ケアセンターふわふわもアトリエえとすもそうなので、会社としての特徴だと思います。
皆さんがユニークなんですよね。若い人もベテランの人もいて、職域も広くて、看護師もいれば介護福祉士もいる、自分のように理学療法士もいる…運転手さんもいるし、皆さんの背景や領域が広いのも良さです。いろいろな人がいて、いろいろなカラーをもっていて、それが組織の中で面白く回っているなと思うんです。
大きすぎず、小さすぎずという今のハビリスデザインの組織としての大きさもあると思うのですが、良い意味でエネルギッシュに動いている感じです。それぞれのカラーが混ざっていることも面白いですね。
いろいろとチャレンジをしている会社という点でも面白いです。理学療法士って、リハビリテーションの世界だけにいると、どうしても狭いんですよね。視野が狭くなってしまう…病院とか、介護老人保健施設とか、デイケア、訪問リハビリ…いろいろあるかも知れないけど、どうしてもその枠を超えられないんです。
それに対して、この会社はいろいろなことをやっているから、いろいろな発想が生まれやすいし、いろいろなキャラのスタッフがいることで、そこがつながって、さらに広くなっていく…枠を超えて、自分は何をしようという発想が生まれてくるのも、ここの職場の良いところですね。
1日に2箇所の現場に働きに行くというスタイルも気に入っています。自分に合っているのだと思いますが、放課後等デイサービスだけだと、午前中の時間を上手く使えないものかなと思っていたので、午前午後で違う現場があるのも、時間を上手く使えていていいなと思っています。効率もいいし、距離的にも施設が近いのもいい、そして、自分にとっては、良いリフレッシュになっています。
理学療法士という職業の面白さは?
この仕事を選んだきっかけは、自分のケガでした。実はもともと骨が薄くて折れやすくて、よく骨を折るということがあり、太ももの骨を折ったこともありました。入院する機会も多かったので、理学療法士の方と接する時間が長かったんです。もちろん、看護師やドクターとも関わりますが、そこまで話すわけではないので。そこから、理学療法士になったのですが、理学療法士の仕事の面白さって言われると難しいのですね。
ただ、リハビリテーションという概念は面白いと思います。会社的には、リハビリテーションというより「ハビリテーション」と言った方がいいのかも知れないのですが。
理学療法とか世間のリハビリっていうと、どうしても身体機能を向上させるとか、家の中の生活がどうかとか、ちょっと狭いものになると思うのですが、リハビリテーションってもっと広い意味なんですよね。社会的な意味も含んでくるので、その人がそもそも元気なのかどうなのか、一緒に元気になれるのか、それを一緒につくっていけるのが楽しさだと思います。それの中に、理学療法っていうエッセンスがときどき入るくらいですね。
ケアセンターでは、いわゆるリハビリをやっていると言いましたが、機能面を高めるという意味だけでなく、リハビリを通して、利用者さんと一緒に「楽しむ」、身体を動かすことを通して「関わる」というところに、大事な意味があると思うんですよね。
ここの職場でありがたいのは、すでにインタビューを受けている看護師の柳下さんの考え方が、自分の思う専門職のあり方に近いと思っています。温度感が近いというか、「基本的に看護はないほうがいい」という発想も近いなと思っています。感覚が近いスタッフと一緒に働けるというのも良さですね。
※看護師 柳下将德さんのインタビューはコチラ
最後に教えてください!
あなたの「My Smile」は何ですか?
「惰眠をむさぼること」ですね(笑)とにかく、いっぱいお昼寝をすることです。結構寝るタイプなんです。
休みの日だと、だいたい1回は昼寝をしています。この前は、朝ご飯を食べて昼寝をし、昼ご飯を作って食べて昼寝をし、「あーもう5時だ~」って感じでした。その後、晩御飯を食べて「今日は2回も昼寝しちゃったから、寝れないかもしれない」って思ったら、ぐっすりとよく眠れたという感じです(笑)
人によっては、昼寝って無駄な時間を過ごしていると思うかもしれないのですが、自分の中では、これって貴重な時間だなと思えるから、そういう過ごし方もしています。
この昼寝するスタイルは、割と最近ですかね。
家の環境がなかなか良くて、まず、こたつが暖かいというのもあります。そして、我が家の布団も、日が入るとポカポカになる位置にあるので、それも良いですね。眠れる良い場所がいろいろとある家なんです。
快適にしているポイントとしては、こたつ、ポカポカの布団、本、音楽ですね。本は、哲学的な本が多いですかね…。最近読んだ本でいうと『日本語を取り戻す。』言葉を大切にしているので、言葉はどうやって壊されていくのか、どういう風に扱われるべきなのかっていうのを考えるのに読みました。あとは『日本辺境論』という本は、すごく面白かったです。日本人がどういう考え方をするのか、どういうことを今までしてきたのかっていう内容ですね。考えさせられる本が好きですね。逆に、自己啓発本とか、How to本は決して読まないですね(笑)
あと音楽は、眠くなっているときは、坂本龍一がかかっているか、プレイリストでジャズっぽいのとか、インスツルメンタルのピアノとかギターとか…そういうのをかけながら、本を読んで眠くなっていくって感じですね。贅沢な時間を過ごしています。