柳下将德さん
(アトリエえとす・ケアセンターふわふわ)
【働き方】看護師・常勤
(おもに午前中:ケアセンターふわふわ 午後:アトリエえとす)
看護師の仕事内容って?
基本は「アトリエえとす」の看護師ですが、実態として今は、午前はケアセンターふわふわ、午後は放課後等デイサービス「アトリエえとす」にいることが多いです。曜日によって、看護師が必要となる時間帯が変わるので、そこは臨機応変に働いています。
仕事内容は、いわゆる看護師がやるべき、注入とか経管栄養とか、医療的ケアなど。あと、呼吸器を使っている子がいたときはその管理などをおこなっていました。医療的ケアが必要ないときは、スタッフとして皆さんと楽しく過ごしています。
2箇所の看護師をしていますが、基本的にやることは似ているので、その対象が大人なのか、子どもなのかということですね。まぁ、大人・子どもというより、その人のできることに合わせてサポートに入ったり、ケアセンターではリハビリがあるので、そこに一緒に入ったり、多少の違いはありますけど、基本に同じような感じです。
ハビリスデザインはいつから?
常勤職員になったのは、2019年4月なのですが…付き合いはとっても長いです。
もともと社長とは多職種交流会で知り合い、年も同じだったこともあり、接する機会が多く、いろいろなご縁が重なり、5年くらい前にケアセンターで週1回程度、働いていました。タイミングが合うんですよ(笑)
ちょうどそのときは、ケアセンターでも看護師を探していて、私自身は、病院を退職し、つぎに働きだす施設の立ち上げまで時間があったときでした。なので、新しい施設ができあがるまでなら、お手伝いできるよ!と。
そのときの印象は、楽しい感じでしたね。利用している方も柔らかい雰囲気でいいなと思いました。働きやすい雰囲気でもあったので、遊びに行くような感覚で働いていました。
2019年の入職のきっかけは、これもタイミングですね。仕事の区切りというタイミングもそうですし、気持ちとしてもタイミングが合いました。
そのときは、訪問看護を直前までやっていたのですが、そこを閉めなくてはいけなくなっていたこと、あとは、ちょうど資源がない方たちにアプローチしたいっていう気持ちが強くなっていた頃でした。具体的には、「障がい」もあり、しかも「子ども」という対象…、なかなかケアを受けられる場所が少ないという現状を目の当たりにしたんです。この子たちへのケアにこれからも関わりたいと思っていたタイミングで、社長から電話がきたんですよ(笑)
看護師としてのやりがいは?
「私は看護師です」という看護師感を出すつもりはありません。だけど、うまく資格を利用してほしいなと思うことはあります。たとえば、看護師さえいれば、そこで吸引ができるから、活動の幅が広がるとか、環境を整えるひとつとして、存在できたらいいなと思っています。
障がいの有無に関わらず、ベースに疾患がある方は、発作があったり、何かしら起きてしまったりすることは前提だと思っています。ただ、いつも以上に何かが起きなかったり、なるべく早くその変調を見つけられたり、そういうところに気をつけるよう、意識しています。
これまではどんな仕事を?やはり「障がい」?
病院に勤めていた頃は、脳外科にいたこともありますが、終末期とかが多かったですね。自分が関わってきた方は、なぜか、乳がんの終末期の患者さんが多かったです。なので、これまでは「障がい」って感じではなかったです。
そのときの経験で、今も生きているものはありますか?
終末期の患者さんと向き合ってきた経験が大きいですね。
日々働く中で、「もしかしたら、この患者さんの人生の中で、自分は新しく出会う最後の人間かも知れない」と思ったんです。そうだとすると、その人が微妙だったら、ちょっと人生終わったときに嫌だよなと思って、じゃあ、自分はそうならないように、いい印象を持ってもらえるようにしよう、終わり良ければ全て良しって言い方はあれだけど、「何か、関わる中で残っていくものが、ちょっとでもいい瞬間になれば…」そんな感じにずっと思ってきました。私の大好きなベイスターズの去年の言葉を借りると「一生残る、一瞬のために」まさにそれ、と昔からそれを大切にしています。自分がそこにいて、何か残していければというのは常に思っていることで、今も対象は違えども、そこが大切だと思っています。
ここの仕事とは別に、バリアフリービーチと関わっていて、そのときに、2歳の気切をしている女の子がいて、ご家族も最初は緊張していたんですけど、そこで初めての経験をいろいろとされたんです。そうしたら、そのきっかけがあったことで、その後もいろいろとお出掛けするようになったり、「あの日以来、すごくいろいろなところに行けるようになったんです」って教えてくれたり。そのとき、あー自分の大切にしている想いってこれだ!って気づくこともできました。
人生の中で、あの1日というか、あの数時間で生まれた「経験」から、もっと新しい「経験」に広がっていく…すごいことだと思いますし、その「経験」を可能にするために、医療職としての自分という存在を、これからも使っていきたいと思ったんです。
職場のいいところは?
のほほんと仕事できることが、一番いいところです。
看護師がのほほんとできるって大切なことなんですよ?なるべく看護師は、使われなければいいなと思っています。それは、看護師が必要ということは何かしらが起きるということになってしまうので、なるべく、のほほんって過ごせればいいなと思っています。それは今日一日が安全であって、みんなが健康であった証拠ですからね。
あとは、働いているスタッフのキャリアやカラーが違うので、それがうまく混ざっていることも職場の面白いところです。偏ってしまうと面白くないし、そっちしか見えなくなってしまうこともあるけど、ここは、いろいろとタイプの違うスタッフが多いので、みんなで混ざりあって、新しい発想が生まれるのもいいところです。
仕事の楽しいところは?
日々楽しいので、選べないのですが、「アトリエえとす」では、子どもたちが変化していくことも楽しさです。出会った頃は、自分自身の気持ちの波に苦しくなっていた子がいたのですが、関わる機会が増えていくことで、その子が成長していって、小さい子や後輩の面倒をみるようになったり、手を伸ばすお手伝いをし始めたり、とか。ほかにも、最年少だった子が、学年が下の後輩が入ってきたことによって、急に先輩っぽく、お兄さんっぽくなったり(笑)、いろいろと場面が変わることで、その子のいろいろな側面を知るのもこの仕事の面白さだと思います。子どもたちが同じ空間にいることで、刺激し合って成長し合う感じですよね。
あとは、一人ひとりを見ていても、反応とかリアクションとか、その子のやっていることが増えた瞬間が面白いなと思っていて、「最近、急にあれに興味を持ちだしたなー」とか、「最近、足をこういうふうに動かしだした」とか、1~2年と一緒にいる中と、ゆっくりではあるけど、増えてきたものを感じられることがすごく楽しいです。
「経験」も同じで、これ好きだったんだって知ることができる喜びというか、変化が見えてくるって嬉しいんですよね。もちろん、見えてこなくてもいいんですよ。これには興味ないんだな、ってこちらが知って、それなら今度はこんなことを試してみようかなと、一緒に遊ぶんです。それを繰り返すことで、その子なりの興味関心とか、その子のカラーが見えてくるのが楽しいなと思っています。
最後に教えてください!
あなたの「My Smile」は何ですか?
仕事面でいうと、相手が笑っていればいい、それだけですね。もともとかな…不安そうな顔を見るのが嫌な人間なので、笑っていてほしいなと思っています。ちなみに、自分のテンションが低くなっているときは、誰にも会わないようにしちゃうタイプです(笑)
仕事以外でいうと、どこか遠く行くのが好きです。行けるときに、ふらーっと車で出かけたり、自分のみの空間をつくって、何にも考えず、一旦空っぽにすることも大事だと思っています。最近だと、あしかがフラワーパークへ行ってきました。今はイルミネーションがすごい綺麗なんですよ。あとは、ちょっとした温泉に行ったり、秘密基地的な場所へ行くのも好きですね。
コロナさえなければ、月に数回とか行きたいです。仕事終わりにそのまま出発しちゃうのもいいなと思っています。あとは、ベイスターズをみて楽しむ!!