こんにちは。株式会社ハビリスデザイン代表の深見勝弘です。

朝晩が少しずつ涼しくなってきましたね。今週の私は、11月に向けたある準備で、頭の中がずっとカラフルでした。今日はそのお話をさせてください。

「汚さないでね」から始まるイベントを、やめてみたい

11月28日、藤沢市の湘南台で「インクルーシブアートフェスティバル」を開きます。私は実行委員長として、地域のさまざまなプロの方々と一緒に準備を進めています。

体育館の床いっぱいに、長さ30メートルを超える真っ白な帆布を敷きます。そこに、水鉄砲や水風船で、思いきり絵の具を飛ばす。障害のある子も、ない子も、みんなで一枚の大きな絵を描くアクションアートです。

なぜこんなに思いきったことをするのか。それは、これまでの福祉のイベントの多くが、どうしても「事故が起きないように」「汚さないように」を一番に考えた形になりがちだったからです。もちろん安全は何より大切です。でも、「気をつけてね」「そこは触らないでね」から始まる時間は、気づかないうちに「支援する人」と「支援される人」という線を引いてしまいます。

私がやりたいのは、失敗やトラブルを避けるためのイベントではなく、参加する全員が「やってみたい!」と自分から近づいていきたくなるイベントです。「汚してはいけない」という見えない壁を、今回はみんなで、絵の具まみれになりながら越えてみたいと思っています。

そのために、肌にやさしい水性の塗料を選び、会場をしっかり守るための養生も、その道のプロにお願いしています。感覚が敏感な方がひと息つけるクールダウンの場所も用意する予定です。「安全だから、思いきり楽しめる」。その順番を大事にしたいのです。

車いすは、「乗り越えるもの」ではなく「筆」になる

白い帆布の上を進む車いすのタイヤから、虹色の絵の具の線が伸びていくイラスト

今回の企画で、私がいちばんワクワクしているのが「色の轍(わだち)」です。車いすのタイヤに専用のスポンジを付けて、帆布の上を走る。すると、走った道すじが、そのまま一本の色の線になって残ります。

ふだん、車いすは段差や坂道の前で「どう乗り越えるか」を考える道具として語られることが多いと思います。でも、この日だけは違います。車いすだからこそ描ける線があり、その子にしか生まれない模様がある。障害を「克服すべき課題」としてではなく、「その人だけの表現を生み出す武器」として捉え直してみたいのです。

社名の「ハビリス(Habilis)」は、ラテン語で「適した」「できる」という意味です。できないことを数えるのではなく、その人に“適した”やり方を見つければ、「できる」はどんどん増えていく。私たちが毎日の支援で大切にしていることを、この日は体育館いっぱいの色で表現できたらと思っています。

名前も、年齢も、障害の有無も明かさない絵画展

今週、こんなニュースを見つけました。札幌の一般社団法人fanfareさんが、10月12日に「第13回 吾輩は画家である絵画展 -名前はまだない-」を開くそうです。障害のある子の絵も、ない子の絵も、作者の名前・年齢・性別・障害の有無を一切明かさずに並べ、来場した人が「好き」「心に響いた」と感じた作品に投票するという展覧会です(出典:PR TIMES 一般社団法人fanfare「この絵を描いたのは、どんな子だと思いますか?」)。

「障害があるのに、すごいね」ではなく、「この絵が好き」。作品がまっすぐに受け止められる体験は、子どもたちにとって「自分の表現が誰かの心を動かした」という大きな自信になるはずです。私たちのフェスティバルも、目指しているところは同じだと感じました。先入観の壁を越えるのは、説明や啓発の言葉より、一緒に夢中になる時間なのかもしれません。

◆ 秋祭り、ありがとうございました

紅葉の中、テントやキッチンカーが並び、こどもと大人がゲームを楽しむ秋祭りのイラスト

9月26日に開いたハビリスの秋祭りには、足元の悪い中、たくさんの方に来ていただきました。揚げたての「シャカシャカポテト」やタピオカ、キッチンカー、魚釣りゲームやストラックアウト、お菓子のレイ作りまで、会場は一日中にぎやかでした。準備から当日まで走り回ってくれたスタッフのみなさん、本当にありがとう。当日の様子は、広報チームがたっぷり紹介してくれています。

→ 記事はこちら:2026年 秋祭りを開催!!

◆ 「好き」は手放さなくていい

先週のブログでAIのお話をしましたが、今週はその続きとして、社内のスタッフがAIを自分の「相棒」として育てていく取り組みの準備を進めました。手順書をつくりながら私が大事にしたのは、「今まで大切にしてきた道具や得意なことを、手放さなくていい」ということです。新しい道具は、その人の「好き」を置き換えるためではなく、「好き」に使える時間を増やすためにある。これも、さきほどの車いすの話と、どこかでつながっている気がしています。


ハビリスは、「気をつけて」で可能性を閉じるのではなく、「やってみよう」で一緒に扉を開ける会社でありたいと思っています。新しい挑戦には、うまくいかないこともあるでしょう。そのときの責任は、私が持ちます。だからこそ、利用者さんや子どもたちと一緒に、思いきりワクワクできる仲間を募集しています。少しでも気になった方は、採用ページものぞいてみてください。

→ ハビリスデザイン 採用情報