こんにちは。株式会社ハビリスデザイン代表の深見勝弘です。

しばらくお休みしていた社長ブログを、今週からまた書いていくことにしました。これまでのようにシリーズとして区切るのではなく、その週に私が見たこと、考えたこと、ハビリスの中で起きていることを、できるだけそのままの温度でお届けしていきたいと思っています。

今週、私の机の上で起きていたこと

今週の私は、会議や説明会の合間に、ずっとある“同僚”と話し込んでいました。相手は、AIです。

たくさん届くメールの返信の下書きをつくってもらう。行政から届くお知らせを読んで、期限とやるべきことを整理してもらう。打ち合わせの候補日を、カレンダーを見ながら洗い出してもらう。考えがまとまらないときには、壁打ちの相手になってもらう。そして実は、このブログの下書きも、AIと一緒につくっています。

こう書くと、「社長がラクをするための道具を入れたんだな」と思われるかもしれません。正直に言うと、私はルーティンの仕事がとても苦手です。でも、私がAIを使い始めたいちばんの理由は、そこではありません。

ラクをするためではなく、会いに行くために

書類や封筒でできた壁を、支援者と車いすの人がスロープで一緒に越えていくイラスト

福祉の仕事には、書類やメール、関係機関との調整がたくさんあります。どれも欠かせない、大切な仕事です。けれど、それに追われれば追われるほど、目の前の人と向き合う時間は少しずつ削られていきます。

私はこれを、福祉の現場にある「時間の壁」だと思っています。

だからこそ、はっきり書いておきたいのですが、AIを使うことは目的ではなく、あくまで手段です。本当の目的は、生まれた時間で、利用者さんやお子さん、ご家族、そして一緒に働く仲間に“会いに行く”こと。現場に顔を出して、いっしょに笑うこと。地域の集まりに出かけて、新しいつながりをつくること。

効率化そのものに価値があるのではなく、生まれた時間を何に使うかにこそ価値がある。道具がどれだけ新しくなっても、ここだけはぶらさずにいたいと思っています。

「ハビリス」という名前に立ち戻ってみると

ハビリス(Habilis)は、ラテン語で「適した」「できる」という意味です。私たちはこの名前に、「できない理由を探すのではなく、その人に“適した”方法を一緒に探せば、きっとできる」という思いを込めてきました。

暮らしやすいように住まいを整える。その日の体調や気持ちに合わせて、過ごし方を変える。私たちが毎日やっていることは、一人ひとりに合った道具や環境を、何度も選び直すことの積み重ねです。

AIとの付き合い方も、それと同じだと感じています。新しい技術だから飛びつくのでもなく、難しそうだから避けるのでもない。「私たちの仕事に、いちばん適した使い方は何だろう」と探し続けること。それは新しい考え方を外から持ち込んだのではなく、ハビリスという名前に最初から込めていたことの延長線上にあるのだと思います。

スタッフにとっても、同じであってほしい

ハビリスでは利用者さんの支援で、「その人の“やりたい”を大切にすること」「失敗も大切な経験になること」を大事にしています。そしてこれは、スタッフの働き方についても、まったく同じだと考えています。

記録や事務の負担が少しでも軽くなれば、そのぶん、自分が本当にやりたい支援や企画に時間を使えるようになります。AIの使い方は、私ひとりで決めるものではありません。現場の声を聞きながら、みんなにとって“適した”形を一緒に探していきたいと思っています。広報・デザインチームでは、すでにデザインや文章づくりにAIを取り入れる試みも始まっています。

もちろん、福祉の仕事で扱う情報は、とても大切なものです。利用者さんやご家族のお名前など、個人がわかる情報はAIに入れないことを基本にしています。便利さよりも安心を先に置きながら、慎重に進めていきます。

まずはやってみる。責任は私が持つ

実際に使ってみて驚いたのは、AIが想像していた以上に賢く、任せられることがたくさんあったことです。そしてもう一つ、意外だったことがあります。AIと一緒にいろいろなことを考えていると、私自身の頭もずっとフル回転なのです。任せきりにして考えなくなるのではなく、いっしょに考える相手がいることで、かえって自分の考えが活性化されている。これは使ってみるまで想像していなかった、うれしい誤算でした。

もちろん、新しいことを始めれば、うまくいかないこともあるはずです。それでも、まずはやってみて、考えて、また直す。「なんとなく」ではなく、理由を持って試すことを繰り返すうちに、少しずつ“適した形”が見えてくるのだと思います。

スタッフの皆さんにも、「こんなこと、AIでできないかな?」と思いついたら、ぜひ気軽に声をかけてほしいです。やってみてうまくいかなくても大丈夫。そのときは、私が責任を持ちます。主役は現場の皆さんで、私はそのための時間と道具を用意する係です。

時間の壁は、一人で越えるには高くても、いっしょになら越えていける。そう信じて、これからもいろいろなことに挑戦していきます。


今週の小ネタ

◆ 手話言語の国際デー in ふじさわ

秋の広場で、いろいろな年代の人たちが手話であいさつを交わすイラスト

9月23日、「手話言語の国際デー in ふじさわ」に参加してきました。あいにくの雨で、会場は藤沢市役所の1階に変更になりましたが、それでもたくさんの方が来場されていて、とても盛り上がっていました。会場では、スポーツを通じて地域に関わっている方など、新しい出会いもありました。

実は9月23日は、国際デーであると同時に、日本では「手話の日」でもあります。令和7年6月に「手話に関する施策の推進に関する法律」が施行され、この日が「手話の日」と定められました(出典:東京都 報道発表「9月23日は『手話の日』」)。手話は、ろう者にとって大切な“言語”です。私たちの現場でも、言葉や声だけでなく、表情や身ぶり、絵カードなど、その人に“適した”伝え方を一緒に探すことを大切にしています。伝え方の選択肢が地域の中に増えていくことは、利用者さんや子どもたちの暮らしの幅が広がることでもある。そんなことを感じた一日でした。

◆ 「喜んでくれるかな?」の時間(アトリエえとす)

敬老の日に向けて、アトリエえとすでは、おじいちゃん・おばあちゃんへ贈るメッセージカードを作りました。鶴や亀のイラストに、一人ひとりが「どの色にしようかな?」と悩みながら色を塗っていく様子が、広報チームの記事で紹介されています。

相手の顔を思い浮かべながら手を動かす時間。技術がどれだけ進んでも、この“誰かを思う時間”だけは、ほかの何かに代わってもらうことはできません。上の話とつながるようで、なんだかうれしくなりました。

→ 記事はこちら:思いのこもった製作❤️

◆ 藤沢支援学校に「肢体不自由教育部門」ができます

9月25日、神奈川県教育委員会による、藤沢支援学校「肢体不自由教育部門」開設についての説明会に参加しました。令和10年4月に、小学部・中学部・高等部の肢体不自由教育部門が新しく開設される予定で、藤沢市全域が対象になるそうです。これまで市外の支援学校に通っていた藤沢の子どもたちにとって、大きな変化です。私たちも地域の事業所として、子どもたちが安心して通い、放課後を過ごせるよう、学校や関係機関と一緒に考えていきたいと思います。

◆ 本日(9/26)は秋祭りです!

いよいよ本日、ハビリスの秋祭りを開催します。今年は、心と体を癒す「温熱療法」の体験(10分500円)や、「オウカ珈琲」さんのキッチンカー出店もあります。どなたでも気軽に遊びに来ていただけたらうれしいです。

→ 詳しくはこちら:2026年秋祭り開催のお知らせ/オウカ珈琲さん出店のお知らせ/温熱療法体験のお知らせ


新しい道具にも、新しい出会いにも、「いっしょに笑って」ワクワクしながら向き合える仲間を、ハビリスでは募集しています。少しでも気になった方は、採用ページものぞいてみてください。

→ ハビリスデザイン 採用情報